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ことばキャンプとは

ことばキャンプとは、人とつき合っていくときにかかせない、コミュニケーションする力のトレーニングプログラムです。米国の学校や家庭で行われていたオーラルコミュニケーション教育と異文化コミュニケーションを分析し、7つのチカラ(度胸力・論理力・理解力・応答力・語彙力・説得力・プレゼン力)のトレーニングを考案しました。
7つのチカラを狙いとしたトレーニングによって、話すチカラ、聞くチカラを楽しく身につけていきます。

ことばキャンプのプログラム


聞く耳モード
ことばキャンプでは、表現することよりも前に聞くチカラを身につけることに力を注いでいます。なぜなら、「安心して話せる場」の設定が表現する上で重要と考えているからです。自分が話しているのにバカにされたり無視されてしまっては、表現する意欲がなくなってしまいます。「ここでなら話してみよう!」と思える、安心して話せる場づくりのためにも、聞くチカラを大切にしています。
ただ、音として「聞く」のでなく、考えながら聞く。相手の話に興味を持って聞く。こうした聞く力が育つことで、人との関係は豊かなものになります。聞き方を体得するために聞き方の基本を「聞く耳モード」というキーワードによって、導入部の場の設定で確認します。ワーク中も、人の話を聞けない児童には、「聞く耳モードは?」と穏やかな口調で促しています。「聞く耳モード」は、年齢に応じて異なります。
幼児と、小学校低学年の子どもには「目で見て、頭で考えて、いっしょうけんめい最後まで聞きましょう」
小学校中学年以上の子どもには「聞く耳モード あいうえお」となります。

  • アイコンタクト
  • あいづち
  • うなづく
  • 笑顔
  • おへそ
  • おしまいまで

聞く耳モードとは、「アクティブリスニング」(active listening)です。

カウンセリングにおけるコミュニケーション技法のひとつで、米国の臨床心理学者カール・ロジャースが提唱した、相手の言葉をすすんで“傾聴”する姿勢や態度、聴き方の技術を指します。日本語では「積極的傾聴」と訳されます。受容の精神と共感的理解をもって相手の話に耳を傾け、その言葉の中にある事実や感情を積極的につかもうとする聴き方のことです。アクティブリスニングにおいて、聴く側は話し手とともに感じ、考え、問題の本質を明確にしていくプロセスを共有することで、話し手が自ら解決できるように支援します。
きき方には「聞く」と「聴く」がありますが、アクティブリスニングは、ただ受動的に聞き流すのではなく、話し手の言葉の中にある事実と感情をすすんで把握し、その本質を明確にしてあげることで、話し手が自分自身で問題解決できるように手助けする聴き方をいいます。


どっちにする?
どっちがいい?心を決めるトレーニングです。たとえば、「赤か青、どっちが好き?」と聞かれたとき、「どっちでもいい」という答えは却下。必ずどちらかに心をきめてもらうことがポイントです。どちらかを選択しなければならないと、子どもは自分の心の中をのぞいて答えを見つけようとします。この積み重ねが「自分は何を考えているのか、何を伝えたいのか」考える力につながっていきます。
普段の生活のなかで、「パンとご飯どっちがいい?」「長袖シャツと半袖どっちがいい?」などと問いかけてみてください。

自分の気持ちを把握し言語化する
自分の気持ちを把握し、素直に表現し、周りの状況を考慮に入れて主張する練習です。上手に表現できたかかどうかということよりも、自分の心情や考えを表出・表現できたことを認めることで、言語化する行動が強化されます。
児童の主体性を促すSSTを「主体性モデル」と言います。コミュニケーション場面で主体的に振る舞う、というときの主体性の3要件を以下のように整理されています。

  • ①気持ちを把握していること(心情把握の主体性)
  • ②気持ちに見合った表現行動をとっていること(心情表現の主体性)
  • ③文脈に合わせて表現行動を調整する(文脈対処の主体性)

「主体性モデル」(図)は、SSTことばキャンプで行っているワークの構造と狙いをわかりやすく表しています。


ババチョップ
コミュニケーションは、欠かせません。
相手のことばに反応することは、
ババチョップというゲームを通じて、相手のことばに体で反応することを体験します。

代表あいさつ

ことばキャンプ代表・高取しづか

ことばキャンプ代表
高取しづか

お子さんは、自分を上手に伝えることができますか?きちんと人の話が聞けますか?友だちといい関係を築くとき、大人になって仕事をするとき、生きていく上でコミュニケーション力はかかせません。この力は性格やもって生まれた才能だけではなく、練習でつけることができるのです。日本のすべての子どもたちが、ことばのチカラを身につけて、かけがえのない自分を生かして、21世紀を生き抜いてほしいと願っています。

設立のきっかっけ

ことばキャンプに興味を持っていただき、ありがとうございます。
JAMネットワーク代表 高取しづかと申します。
なぜ、私たちがこのような活動を始めたかについてお話します。

私は子育てをしながら、雑誌の取材記者として働いていました。その一方で友人に誘われ「子育てネット」のメンバーになり『子どもと出かける東京遊び場ガイド』(丸善メイツ)を出版。この本は子育て中のママたちが作った本として大きな話題になり、大ヒットしました。いまの子育てガイドブックの草分けの本でした。その後も子育てネットメンバーとして先輩ママから後輩ママへ応援本の制作にかかわったり、記者として奮闘していました。

「察する」日本文化

1998年、夫の米国転勤によって家族でミシガン州に暮らすことになりました。そこで出会ったのが、JAMネットワークの礎を築いた女性たち。日本と米国、両方の子育ての違いに興味を持ったママたちでした。
私たちが米国で暮らすようになって、まず困ったのが「ことば」でした。もちろん英語という言語のせいもありましたが、それ以前に日本語で「自分の気持ちや考えをことばで伝える力が足りない」と思ったのです。
あるとき、友人がサンドウィッチを買って食べようとしたとこと、レタスに泥がついていました。すぐにお店に持っていき、サンドウィッチを見せ「泥がついているのですが・・・」と見せました。
ところが、店員さんは何も言わずに友人をじっと見つめているだけ。しばらくたってから、やれやれという表情で「あなたは何がしたいの?お金を返してほしいの?サンドウィッチを交換してほしいの?それとも文句を言いにきたの?私にはわからないわ」と言うのです。
日本だったら「すみません!」と、こちらが何も要求しなくても状況を察してくれるでしょう。この国では「要求をことばで明確に伝えないと伝わらない」ことを経験しました。
「相手の言わんとすること」を状況や文脈の中で察する日本。「あうんの呼吸」とか「以心伝心」ということわざがあるように、察する文化の中で育った私たちは、ことばで状況を説明し明確に要求することに慣れていないのだと、痛感したのです。

自分の意思を持つ

また、米国で戸惑ったのは「何が欲しいのか?」「あなたはどう思うのか?」など、自分の意思についてよく問われたことです。アメリカの現地校に転入したMちゃんもあらゆる場面で「赤い紙と青い紙、どっちがいい?」「この場面を見て、あなたはどう思いますか?」と聞かれて、答えられずに困り果ててしまう日々が続いたそうです。「どっちでもよかった」のです。
欧米では、個人の意思を尊重して「どっちがいい?」とか「どうしたいのか?」聞かれます。そのときはっきりと「自分の考え」をいうことがよしとされます。日本では、むしろ強い自己主張は敬遠されることもあるので、はっきりと自分の意思を伝えることに戸惑ったのかもしれません。特に子どもの場合、日本では自分の意思を聞かれる機会があまりなかったため、Mちゃんは答えられなかったのです。
アメリカ人のママから「ベビーベッドにいる赤ちゃんの頃から、おもちゃを2つ見せて『どっちが欲しいの?』と聞いていたわ」と聞いたとき、腑に落ちました。
赤ちゃんも個人としてとらえ「意思を持つ一人の人格」という考えからきているのです。
私たち日本の親は、子どもが要求する前に気持ちを察して、先にやってあげることが多いように思います。思いやりがあっていいことなのですが、自分の意思を持ちことばで伝える力を育てようとする上では、逆作用するのではないかと思ったのです。
私自身も、自分の意思を聞かれてはっきりと言えずに口ごもってしまったり、「あなたはどう思うの?」と聞かれて考えがまとまらずシドロモドロ、適切なコメントが返せず会話が途切れてしまったり・・・そんな経験をたくさんしました。
英語でどう伝えるかを学ぶことはもちろん大事ですが、それ以前に
自分の意思をはっきりと持ち、それを相手にわかりやすく伝える力や、相手の話をよく聞いてそれに応答する力
をつけていかなければいけない、と思いました。

ことばによるコミュニケーションを学ぶ子どもたち

そんな中、欧米の学校や家庭では「ことばによるコミュニケーション」を徹底的に教育していることを知りました。私たちは、つてを頼って現地の幼稚園、小・中・高といろいろな学校をたずねてオーラルコミュニケーション(話す、聞く)授業を見せていただきました。
幼稚園では“Show and Tell”というみんなの前で自分の宝物を紹介するプログラムがあり、子どもたちは説明したり質問に答えていました。小学校ではプレゼンテーションをします。プレゼンテーションは、「プロジェクト」という調べ学習のような長期の宿題の最後に行われ発表します。言語教育内のカリキュラムとしては、話す・聞く・見る(viewing)が取り扱われ、Reading,Language arts, Englishの教科で、オーラルコミュニケーション教育が行われていました。(注)
また、「争い事は言葉で解決できる」をスローガンに、コミュニケーション教育を最も重視する私立の小・中学校The Japhet School(キリスト教の一派であるサイエンス派)に通ったり、ミシガン州の教育委員会にも取材に伺いました。
米国の先生やママたちにも「ことばを中心にした自立教育」について、座談会やインタビューを行いました。こうした取材を通じて、日本とは違うことばの教育、自立に向けた子育てについてたくさんの気づきがありました。
学校教育の中でコミュニケーションスキルの教育、子どものころから自分で考察し、論理的に説明する練習をつみ重ね、家庭でも自分のことばで伝えるよう教育しているから、理路整然と自分の意見を述べ、人の話をじっくり聞くことができるようになる。意見を求められたとき、「なんとなく」ではなくことばで伝えることができるのです。

コミュニケーション能力は、持って生まれた才能や国民性ではなく、練習によって身につく力、トレーニングの賜物なのだと確信したのです。

これからを生きる日本の子どもたちは、コミュニケーション力が生きていく上で必要。
どんな世の中になっても、どんな場所でも生きていけるように「ことばのチカラ」を身につけてほしい!
私たちは、日本に帰ったら子どもたちに届けよう!と、決意したのでした。

日本の子どもたちに届けたい!

私は、2001年に帰国しました。
すぐさま、子育てネットのメンバーだった友人の林田道子さんにこの思いを話し、2人で出版に向けて行動を起こしました。いくつかの出版社に掛け合い、ご縁を得て主婦の友社から出版が決まりました。
ところが、ここからが大変!持ち帰った資料を、どのように日本の子どもたちに伝えるか、喧々諤々の議論をしました。
「日本の子どもにプレゼンテーションすることなんか、望んでいないよ」
「あまり自分を出し過ぎるのは、かえって浮くからよくない」
「口ばっかりじょうずになったって」
コミュニケーショントレーニングは、日本では受け入れられないというのが日本にずっといたママたちの意見。
『そのとおり・・・』
たしかに、ことばは文化と密接に結びついています。ゼスチャーいっぱいで自分をアピールする米国人のようなコミュニケーションは、日本人にはそぐいません。
『では、どうしたらいい?』
日本の文化に合ったコミュニケーションって、どういうもの?
忙しいママたちの負担にならないようなやり方はないの?
そんな問いから、7つのチカラのトレーニング『親子で育てる「じぶん表現力」』2002年(主婦の友社)が生まれました。JAMネットワークメンバーの話合いをもとに、林田と高取が企画・執筆しました。

注:1990年代の米国のコミュニケーション教育
1990年代後半の米国の公教育は、まさに国家レベル・州カリキュラムレベルでコミュニケーション教育が推進されていた時期だった。
全米のコミュニケーション教育の動向について行った研究によると、コミュニケーション教育は、1970年代までは言語治療目的か特に才能のあるエリートのためのコースとして存在していた。しかし、1978年における初等中等教育法第2項の改正で、誰もが必要とする最低限のコミュニケーション能力の獲得が国家レベルの施策として明示されることになった。1992年に作成された全米教育目標「ゴール2000」の目標5で、コミュニケーションがアメリカの教育上の目標として位置づけられ、労働省の勧告レポートにもコミュニケーション教育の重要性が指摘されており、まさに国家レベルでコミュニケーション教育推進が強力に推し進められた時期が1990年代だった。
こうした背景があって1990年から1995年にかけて、全米レベルで一気に普及し、1994年の調査では78%の州が、コミュニケーション教育を州のカリキュラムに取り込んでいた。言語教育内のカリキュラムとしては、話す・聞く・見る(viewing)が取り扱われ、Reading,Language arts, Englishの教科で行われていた。スピーチコースの教育ではなく、他の学科と統合されて行われるようになった。
*長田(2004)『全米のコミュニケーション教育の動向』

コミュニケーション力を育てる7つの力

度胸力・・・恐れずに言いたいことが言える力

よその大人や初対面の人とも話ができるように、できるだけその機会を作る。自分のことは自分で言わせてみる。場数を踏むこと。親が「子どもだから」と代わりに答えてしまうのは、せっかくの練習のチャンスを奪ってしまう。
度胸力


論理力・・・筋道立てて考えをまとめる力

プツンプツンと切れた言葉ではなく、筋道の通った話し方ができる力。話すときの核になる力だ。自分を見つめて何が言いたいのかはっきりさせ、それを相手に伝わりやすいように筋道をたてる。ロジカルシンキングの土台は、主語と述語の入ったセリフを心がけることだ。子どもが自分で考えるようになるためには、頭ごなしに叱らずに「何があったの?」と問うことを心がけたい。
論理力



理解力・・・理解しながら聞く力

ただ音として聞き流すのではなく、理解しようとして聞く力は小さいときからのが大切。この力は、コミュニケーション能力の要になる力だ。子どもの聞く力を養うには、親の話し方も重要だ。小言や命令ばかりでは、子どもは聞く耳を閉じてしまう。
理解力


応答力・・・話に反応し、働きかける力

相づちを打ったり、質問したり、人の話に応える力。
あいさつができたり「ありがとう」「ごめんなさい」がスンナリ出てくることが、いいコミュニケーションのスタートだ。親の応答力が子どものお手本になっている。
応答力



語彙力・・・表現を豊かにする力

言葉をたくさん知っていることは、表現力の基本。本を読んだり、ことば遊びをたくさんして、言葉への興味を持たせる工夫をしたい。
語彙力



説得力・・・話し合いに必要なスキル

相手を説得するための力。言いたいことを順番に並べたり、あったことと思ったことを分けるなど、大人でもためになる実践的なスキル。冷静に話し合いをするための、力にもなる。わかりやすく話す努力を子どもと一緒にしたい。
説得力



プレゼン力・・・相手にアピールする表現力

声や顔の表情、小道具などでの演出、といった、言葉以外の表現力。
プレゼン力