ことばキャンプ楽しいイラスト 無料体験会

児童養護施設での活動

ことばキャンプと児童養護施設の子どもたちとの出会い

児童養護施設での実績
2008年から、私たちは児童養護施設を訪問して子どもたちにトレーニングをするようになりました。
そのきっかけが、ある乳児院施設長との出会いでした。
「児童養護施設にいる子どもたちは、学校にいるときや社会に出てからコミュニケーションでつまづいて、ドロップアウトして行くケースがとても多いんです。ことばキャンプを児童養護施設でやっていただけたら、救える子どもたちが大勢いるはずです」
その時初めて、児童養護施設には親はいるけれど、虐待や育児放棄によって入所してくる子どもたちが大勢いることを知りました。彼らは虐待によって傷ついている。自分ではどうしようもない苦しみを抱いているから、心とは裏腹に人に雑なことばを投げつけてしまう。人とのよい関係の結び方が苦手な子ども達がいることを知りました。

当時の私たちは幼稚園や小学校から依頼を受けて、子どもや親・先生へコミュニケーショントレーニングを行っていました。「自分の気持ちや考えを伝えることができるようになった」という感想をいただきやりがいを感じていましたが、その一方で「ほんとうに、コミュニケーションで困っている子どもたちが来ていない」とも感じていました。

児童養護施設の子どもたちは「ほんとうにコミュニケーションで困っている子どもたち。でも、はたして私たちのプログラムが通用するのだろうか」と考えていました。そんな私に、子ども担当講師のメンバーが「必要としている子どもたちがいるなら、やってみます!」と力強く言ってくれて、初めて児童養護施設でことばキャンプを行いました。
プログラム内容は、自尊感情が高いとは言えない子どもに「やればできる!」そんな気持ちを味わってもらうことを主眼にしました。企業ボランティアの大人がマンツーマンでサポートする体制にしました。子どもたちをていねいに支えるためです。
会場に入ってきた子どもたちは、初めは何をするのだろうと固い表情でしたが、ワークが進むにつれ、笑顔をみせペアのボランティアさんたちと打ち解けてきました。
学校ではほとんど発言することがないという子どもたちでしたが、ことばキャンプではどんどん手が上がりました。みんな積極的にワークに取り組んでいました。
最後にみんなの前で発表するワークで「だれか、思いきって発表してみませんか?」という呼びかけに、一人の少年が手をあげました。「えっ?!K君が?」施設の職員の方がビックリしていました。前に出るどころか、話すことさえ苦手な少年だったのです。
みんなが見守る中、前に出て堂々と発表したK君。担当職員は泣いていました。企業ボランティアの方たち、私たちも感動でいっぱいでした。
ボランティアの社員たちは「入ってきた時と終わった時の子どもの顔が、ぜんぜん違いますね」といっていました。
「ほんとうにことばキャンプを届けなければいけない子どもたちがここにいた!」そんな思いでした。
その後、企業との協働事業、神奈川県の助成金事業で、東京都都神奈川県の児童養護施設37施設、のべ300名の子どもたち、職員研修3800名と入ってきました。

社会的養護の現状

保護者のない児童、被虐待児など家庭環境上養護を必要とする児童などに対し、公的な責任として、社会的に養護を行う。
対象児童は、約4万6千人 (H25.3)います。

児童養護施設職員の感想

「子ども達の持つ潜在的な力が輝きだす」 至誠学園 施設長 石田 芳朗先生

数年前、小学生のことばキャンプを終えて、まだ間もないある日、ゲストを招いての交流会が園全体の子ども達を集めておこなわれました。交流会のプログラムでゲストへの質問コーナーの際、「何か質問のある人?」という司会者の呼びかけに対して、スッと手をあげる小学生が複数いました。周囲の人には、きっと手を挙げてはみたもののモジモジしてしまうのでは?といった心配も頭をよぎりました。しかし、その予測はいい意味で外れたのです。まったく臆することなく、堂々と自分の意見を述べ質問をしたのです。その時の彼らをよく知る職員の驚きと感激の表情が本人の満ちた表情と重なり深く印象に残っています。そして、何人かの職員は顔を見合わせ、「ことばキャンプの効果?」と自然に言葉を交わしたのです。同時に質問者の勇気に対して会場からは大きな拍手が沸き起こっていました。

子ども達の変化はこれにとどまりませんでした。後に中学生になった当時の小学生たちは、至誠学園児童自治会の会長選挙に立候補をします。それぞれがライバルとなり、立派なポスターを作成し(たまたま来訪した市議会議員が自身の選挙の参考にと持ち帰るほどでした)、ビデオ演説では立候補の動機や学園での生活をどうしていきたいか等、堂々と自分の言葉で語りました。彼らは現在、自治会執行部役員として重要な役割を担っています。

勿論、この子ども達のすべての成長がことばキャンプのプログラムによってなされたわけではないでしょう。しかしながら、“もっとできるようになりたい”という子ども自身が持つ内なる衝動の始まりとなっていることは間違いないと思うのです。

先日の中学生ことばキャンプでも子ども達は嬉々として参加していました。そして再び職員は、子ども達の持つ潜在的な力を目の当たりにして驚かされ励まされたのです。子ども達は成長する環境に出会えていないだけで、適切な刺激や導きに触れることでキラキラと煌めく輝きを必ず取り戻すことができる、この活動を体験して私はそう確信いたしました。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。どうもありがとうございました。

至誠学園  清水 豪先生

共通意見として、「もっと自分を表現したい」、「もっと続けばいいのに」が挙がった。自尊他尊の導入から始まり、聞く耳モードなどの具体的な技術を教え、自信や自尊心の源流にある、選択力、意思表示力を“好きですか、嫌いですか”ゲームを通し、瞬時に自分の気持ちを引き出すウォームアップ兼、訓練を行う。それらを基に、より複雑な課題に移行。単純明快な、しかし、ち密に計算された無駄のない流れや内容で、子どもの動機を上手に導く。上記の素直な感想は、彼らの意欲と素晴らしい環境が共鳴した結果だ。子どもの成長よりも、スタッフのその環境作りに感動した。筆紙に尽くし難き。
是非ご体験を。